2015年12月31日木曜日

ルリクワガタ狂想曲




2015年も残りわずかとなった12月、虫処採集ガチ勢はルリクワガタを求めて静岡県内を西へ東へ駆けまわっていた。世間はクリスマスモード一色であるがそんなことどーでもいい!!



静岡県に生息するルリクワガタはルリクワガタ、トウカイコルリクワガタ、ホソツヤルリクワガタの3種類、12月5日、まずはホソツヤリリクワガタの分布西限の地点へ足を運んだ。





行く途中H氏が車酔いで昇天
(H氏、いい加減車に強くなりましょう)



この日の気温



静岡であるにもかかわらず雪が積もっていた。山間部は一味違う。



早速産卵痕を発見、削ってみると…




おっ! これは!



ルリクワガタ♂

タダルリクワガタが飛び出してきた。ユキグニコルリクワガタとは違う緑色の輝き。



ルリクワガタ♀

メスの方も見られた。細枝から出たのでトウカイコルリか?と思ったがどうやらタダルリのよう




最初のポイントではKさんとH氏がルリクワガタを2頭ずつ出して終了。別の場所へ移動する。











産卵痕は見つかるものの何も出てこないという状況が続く




結局ここではKさんが1♂を出したにとどまった。




最後のポイントへ移動やはり産卵痕はあるものの何も出てこないパターンが続く

古い材を一刀両断した時…



ルリクワガタ♂


久しぶりにルリクワガタが出現、しかしこれもタダルリらしい。



日が暮れたため採集終了。Kさんが出したのもすべてタダルリであったことが後に判明。



初めてルリクワガタを手にすることができたのはうれしかったが、同時に他のルリクワガタも見てみたいと感じた。











12月19日



この日は富士山方面に採集に行く。

Looking!The blitz loop this planet to search way.Only my RAILGUN can shoot it 

今すぐ! とノリノリで車を運転してポイントへ。燃料が1目盛りも減らないという超エコ運転だった



天気が良く富士山が非常に綺麗だった。



肝心のルリクワガタを探す

やはり産卵痕は見つかるもののルリクワガタは現れない。食痕があってもその先にコメツキムシの幼虫が鎮座しているパターンもあった。


日が傾きかけたころ、ようやくよさげな場所を見つけた


幼虫を発見。Kさんは♀成虫を割り出した。


非常に細い枝からも幼虫が出た


しかし完全に日が落ちてしまい本日の採集もタイムリミットとなった。成果はKさんの1♀、トウカイコルリクワガタだったようである。










12月20日

この日は新たにIさんを交えて富士山方面へ

ガチ登山をしてブナ帯まで標高をあげる。(いつからうちのサークルは登山部になったんだ?)






始めの方は天気が良かったものの…






しばらくするとこうなった。


視界不明瞭、強風、寒さから部員もろもろ気力を削がれ、この日は完敗に終わった。









12月27日

この日はI氏(Iさんとは別人)を交えて県内の某有名ポイントへ




開始10分でKさんが成虫を出す。





確かに個体密度は高いようだ。幼虫は次々と見つかる。



トウカイコルリクワガタ♀(上)、♂(下)


成虫も発見することが出来た。この色彩がまたたまらなく美しい。



その後も幼虫はバコバコ出てくる。


30cmくらいの長さの枝から15頭も出てきたときもあった。



満足いく採集が出来たため今日は日が暮れる前に下山した。

成虫はKさんが6、H氏とI氏が3



この次の日は伊豆で採集を行った。この記事については後程H氏に書いてもらうこととしよう。




To be continued,
















2015年12月11日金曜日

晩秋の山へ



2015年11月21日 天気:快晴

大学祭が終わって一安心した11月下旬、キノコ狩り、バードウォッチング、昆虫採集などを目的に晩秋の山へ散策に行ってきました。


朝七時に出発県東部に向かいます。表富士が綺麗に見える良い天気です。



二時間ほどでポイントに到着。時期的に遅いためキノコが見つかるかどうか不安でしたが…




割と見つかりますね!(種類はさっぱりですが)


しばらくして林の奥からHN氏の声が。HN氏のもとに向かうと…



大きなサルノコシカケの仲間を発見! みんなで採集します。



高かったためこれはちょっと無理でした。

戦利品

12時を過ぎ、昼食のためいったん車に戻ります。



午後は主に生き物探しをしました。

クロナガオサムシ

ホソアカガネオサムシ

この辺りはホソアカガネオサムシの分布の南限のようです。

ホソアカガネオサムシ


ルイスオサムシ

STさんがちゃっかり見つけてくれました。

その他にも
マダラクワガタ

日本最小のクワガタムシです。成虫、幼虫ともに複数見つけられました。

キイロスズメバチ(女王)

STさんも2匹ほど掘り出していました。女王蜂を簡単に採集できるのは冬季採集ならでは。


ゴジュウカラ

頭を下向きにしたまま木を上り下りできる鳥です。

カブトムシの幼虫


暗くなってきたので最後にコルリクワガタを探して明かりのない道を戻ります。


トウカイコルリクワガタの幼虫


トウカイコルリクワガタの産卵痕

残念ながら成虫は発見できず。



星が降るような?真っ暗な世界をSTさんの運転で静岡に戻りました。




To be continued











2015年12月4日金曜日

エデン・外伝3~もうひとつのオキマル採集記~

3日目朝、普久川ダム駐車場。
 
昨晩とうとう手にする事が出来たオキマルを手にニヤける微笑むS。
 
「しっかし今日から台風か...」
 
そう、この時沖縄南東の海上には台風21号が接近しており、2日前の予報では今日から本島は台風の影響で風雨が強まるとのことであった
 
Ya〇oo天気で改めて台風の進路を確認する。
 
「......ん?」
 
なんと、台風の進路が以前の予報より逸れている!
これならばもしかすると.........!
 
今日からネカフェ暮らしを満喫するつもりであったが、計画変更。
思わぬ誤算に驚きつつ、食料を確保しに街へと降りる
 
 
高速を通り、浦添市へ到着
ただ食べ物を買うだけなら名護市で事足りるが、ここに来たのには理由がある
 
そう、インセクトマート
浦添市市街地に店を構えるこのショップは、マルバネ好きならば知らない者はいない、マルバネ採集の第一人者の林さんが店主の有名ショップである。
 
店内には生体の入った容器が所狭しと並び、自分にとってはまさに楽園!
店主の林さんも気さくに話をして頂き、今シーズン採集されたマルバネを見せて頂いたりと、とても楽しい時間を過ごすことができた 林さん、ありがとうございました!
 
 
名残惜しくもお店を後にし、再び恩納村へと向かってゆく
この時点で雨がぱらつきだす。しかし6月からバイト代を貯めてようやく訪れることができた沖縄。
                    やらない後悔よりやった後悔。 必修単位を落としている人間とは思えない発言である
 
 
午後6時、日暮れとともに再びやんばるの森の中へ車を走らせる。
今回は前2日とは異なる北部を中心に流していく
 
先程の小雨は収まったものの、決して好条件とは呼べない
 
外灯のない闇の中をヘッドライトのみを頼りに行う流し採集は、雨によりアスファルトが濡れると一気に視認性が落ち、難易度が上がる。
 
いつ再び雨が降り出すとも分からないプレッシャーから、焦りの念が強くなっていく
 
時刻は午後7時。とうとう風が吹き出し、霧雨が降りだした。
どんどん悪くなる視界。ヘッドライトの光が霧に反射してフロントガラスから見える道路は白く靄がかってひどく見にくい
 
待避所に差しかかり、向こうから同じ採集者と思われる対向車が下ってきた
 
「この先はもう見られた後か...」
 
そう思い、すれ違い待避所を抜けた時、
 
 
 
 
「いる」
 
 
 
二度目はすぐに分かった。昨日見たものより一回り大きな黒い塊が、今まさに道路際の草むらに入っていくところだった
 
 
次の瞬間には車を飛び出し、その塊を手にしていた
 

 
きたあああああああああああああ!!!
 
わずかに根元に内歯が残るものの、タテヅノは大歯型そのもの!
 
ついに、ついに念願の大歯型をこの手の中に収めた!!!
 
大きさは59mmと大歯型にしては小ぶりだが、そのタテヅノは凛々しく上を向いている!
 
感動、感謝、感涙、、、、、、まさか自分の手で採集することが出来るとは露にも思っていなかった...
 
感動冷めやらぬまま、採集した個体をケースにしまい、ハンドルを握る
良かった、道が平坦だったからパーキングブレーキ無くても大丈夫だった....
 
再びアクセルに足を掛け、緩やかなカーブを曲がった時、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.....え?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
......え
 
 
 
 



っええええええええええええええええええええええええええゑゑゑゑゑ!!??!!
 
 
また!?!しかもさっきより明らかにデカい!!!!!
 
再発進して3分も経っていないのに、再び車外へ飛び出す
 
道路端の草むらから出てきたばかりであろうその個体を手に取る
 

 
一点の曇りもない大歯型........!
 
先ほどの59mmの個体よりもさらに一回りもデカい。
 
いったい何㎜なんだ......震える手でノギスを当てる。
 
 
...................65オーバー!?
 
左の顎先が少し欠けており、右顎で測るとなんと66.0mmを示した。
 
まさか、霧雨の中こんな怪物と出会うことになろうとは........
 
 この後、軽いパニックを起こしながら車内で延々と
 
「これっ............これやばくね?いいのこれ?いいの?」
とつぶやきながらニヤけすぎて顔面崩壊と化した顔で夜のやんばるを走り続けたことは言うまでもない。警官さんに見られたら確実に職質されてただろうな...
 
 
この後4日は、台風の影響による風雨からか特に追加もなく、午前中は沖縄ならではの種を採集して平穏な日々を過ごした
 
 
ツマムラサキマダラ(♂)

 
リュウキュウコクワ(♂)
 
 
かくしてS初のオキマル採集は、昨年ボーズを食らったヤエマル採集とは打って変わって、まさかの大成功を収めることとなったのであった
 
 
 
余談だが、6日目の夜、今回の採集で常に寝床としていた普久川ダム駐車場にて、現地の採集者の方とお話しする機会があった。
 
採集者さん「君、ずっとここに停めて寝泊りしてたの?」
私「ええ、そうですよ」
 
採集者さん「たまげたなぁ.....よくこんなとこで平気で寝れるね」
私「どうしてです?」
 
採集者さん「君の車の正面に見えるあの木、数年前あそこで首をつった人がいてね」
 
私「」
 
 
夜のやんばるにはご注意を...